官能小説の奥義 (集英社新書 410F)
永田 守弘
ここでいう官能小説の定義は、こむずかしくない、すごく単純。
簡単に言えば、読者の性欲を刺激し、オナニーさせる小説である、さらに重要なのは、人が心の底に持っている淫心をかきたて、燃え上がらせるための小説である。
p.11
著者(永田守弘氏)は膨大な官能小説を読んだ第一人者です。
僕自身、以前から、このジャンルの小説に使用されている語句、文体、描写は類型化しやすいなと、思っていました。
「官能小説の奥義」では文体の歴史、性器描写、性交描写、フェティシズム、ストーリー展開、に各章を割り当てて、最後に「官能小説の書き方十か条」がまとめてあります。
最後の章の第一条「官能小説は性欲をかきたてるだけのものではない」に淫心の説明がなるほどと思いました。
性欲はオナニーで消えてしまうが、淫心は人間が根源的に抱えているものであり、オナニーでは消えない。性欲の奥に流れているものである。p.196
この奥に流れるものにたいする洞察力、探究心がないと官能小説は書けないなと。
すべてをさらけ出して書かなければならないとか、手あかににまみれた表現を避けてオリジナルの表現を作り出せとか、とても重要ですね。
最後の第十条「書いている途中でオナニーするな」。抑える努力が大切なのです。
ちなみに、僕はこの官能小説というジャンルと、ハーレクインロマンスに代表される恋愛小説のジャンルと何か相通じるものを感じています。それは何なんだろう?
参考
フランス書院-人妻・女教師・女子高生…官能小説&電子書籍が楽しめるサイト-
eHARLEQUIN ハーレクイン社公式ホームページ|ハーレクイン
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